04 その車の中には4人の男女がいた。 深夜の森の中、乏しいオレンジの明かりが車内と彼らの表情を映し出している。 誰も口を開こうとせず、皆の表情はとても暗い。 誰もが深い悩みを抱え、人生に絶望していた。 彼らの年齢はバラバラで、上は41歳、下は17歳までと様々だ。 車内の窓は隙間が入らないよう、布製のガムテープでしっかりと止められ 少しばかりの息苦しさを皆が感じていた。 車中には練炭の入った七輪が、いくつも積まれていたが、まだ火は点けられていない。 皆、悩み、そして躊躇していた。 何度も話し合ったはずなのに。 17歳の少女が、携帯でどこかにメールしている。 白い手が勢いよく、ドアを開き、ガムテープが破れる音が響く。 車内では、驚きの顔が並んだ。 「僕もまぜてくださいよ」 DEADMANは笑顔で、嬉しそうに言った。 「おい、お前、何言ってんだよ」 「非常識ですよ」 「え、あぁ」 3人が突然の訪問客に慌てている。 「ごめんなさい、私が呼んだの。やっぱり怖くて」 全員の視線が彼女を捉える。 「あぁ、あなたでしたか、久しぶりですね」 「お久しぶりです」 彼の顔に一瞬の狼狽が浮かんだように見えた。 __________この娘か・・・この娘のリクエストきっついんだよな __________確か前は、冷凍室に、ヨガで、首を吊ったまま・・・ 「なら、話は早いですね、どう逝ってほしいんですか?」 少女は嬉しそうに笑っている。 その顔は、まるで面白いおもちゃを見つけた無邪気な子供のように見える。 そして、悪魔のようにも。 __________今日は4人分、しかもこの娘もいるのか、長い夜になりそうだ。 少女はしばらく考えた後、口を開いた。 BACK TOP BBS |