Short Story…
Short Story No 105
子供
「暴露話ねぇ、まぁ、あまり言いたくないけど言うか。
この話、ほとんど誰も知らないんだけどさ、
小学校3年くらいの時に好きだった奴がいてさ、
ショートカットで、陸上部の、あの背が低い子。
え、まさかとか、そんなリアクションいいから。
そうそう、アイツアイツ。よくわかったね。
そんな顔するなよ。暗くはならないと思うから。
告白とかしてないし、されてもないけど、
実は、両思いだったんだ。
後で、女友達に聞いてわかったんだけど。
で、小学生の頃って、なんか素直にできないっていうか、
好きなのに、逆の態度とったりとか、いじめたりするだろ?
好きなのを必死で隠そうとしたり、恥ずかしかったんだろうな。
やっぱり、子供だから。
ひやかされた時とか、顔真っ赤にして反論してさ、
大声で怒鳴ったり、ひやかした奴とケンカしたり、
あんな奴嫌いだなんて、言い訳したりさ。
あぁ、その時はお前と別のクラスだったから、
知らなかっただろうけど、もう、思いっきり格好のネタにされてね。
机並べられたりとか、黒板に色々書かれたりとか、
もうね、すげー粘着なんだよ。
馬鹿だし、限度ってもん知らないから、何度も何度もからかわれるし、
そいつらとケンカしても、結局負けるし、余計囃し立てられるし、
さすがにキレてっていうか、嫌になったっていうか、
そうだなぁ、見返してやるみたいな気持ちがあったんだろうな。、
その友達連中に、証明するためにさ、好きな奴にひどいこと言ったんだよ。
お前もう学校くるな。とか、
世界で一番嫌いだ。とか、
この世から消えろ。とか、
あーわかるけど、ひどいとか言うなよ。
子供の頃の話なんだぜ。
でも、子供だったからこそ、アイツは自殺したんだろうな。」
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