Short Story…
Short Story No 157
かわいそうな女
女は馬鹿な男と結婚してしまった。
その男は、粗暴を絵に描いたような男。
もちろん暴力も振るう。
男はよく酒を飲み、そして酒に飲まれる。
自分の気に入らない女の一挙一動に難癖をつけ、殴打、平手。
女の横っ面を打ち付ける。
髪を掴み、床に叩きつけ、足蹴にする。
それが日常。いつもの光景。
何年も、そして今でもその関係は続いている。
子供さえ出来れば、きっと夫も。
だが、子供ができても男は変わらなかった。
男は、女の妊娠中に出会った愛人の家に入り浸り、
この家にあまり帰ってこなくなった。
それでも女は待ち続ける。
たまにしか帰ってこない男を待ち続ける。
女。
かわいそうな女。
それは夫から暴力を受けるこの女?
いいや、それはこの女から虐待を受ける娘のこと。
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