Short Story…
Short Story No 184
ずるい男
大して好きでもないくせに、
告白されたから、ただなんとなく付き合って、
相手を自分の都合のためにその気にさせる。
自分を見せず、本音を隠した付き合い。
尽くさず、相手に尽くさせ、
自分にとって利用価値がなくなるか、飽きれば、
適当に難癖をつけ、嘘の理由をでっち上げ、
無理矢理にでも付き合いを終わらせ、ただ去る男。
その男に振られ、意気消沈してる女に、
慰めの言葉をかける友達。
別れた理由を聞き、驚いてみせ、
なんてひどい奴なんだと共に怒り、
似たような経験や自分の不幸を聞かせる。
君は悪くないんだと肯定し、
相手が悪かったんだよとか、
もし自分だったら絶対大事にするのになんて話す、
偽りの優しさと下心しかもたない、そんなずるい男。
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