Short Story…




Short Story No 192
恋人未満



「付き合わない?」
そう言われて戸惑ってしまった。
ふざけてるのかなと思ったけど、
彼の態度で、本気なんだとわかった。

「少し考えさせて」
それだけ言うと、彼の部屋から飛び出した。
泣き顔を見られたくなかったから。
彼は意外そうな顔をしてた。

どういうつもり?
どうしてそんなことが言えるの?

もう、一緒にいられないなと思った。

二人で遊ぶようになって毎日メールしたり、
大好きとか、愛してると言ったこともあるし、言われたこともある。
深い関係にもなったし、愛されてると思ってた。
言葉がないだけで付き合ってるんだと、
何年も前からそう思ってた。

そろそろプロポーズしてくれるって思っていたのに、
あの人は、まだ私と付き合ってもいなかったんだ。



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