Short Story…




Short Story No 217
死んでしまいたいような夜に


どうしてこんな気分になったのか、
どうしてこんな夜なのかを少し考えてみた。

明日がわからないからだろうか?
多分違うだろう。
誰だって明日なんてわからないだろうと思ってるから。

辛いことがあったからだろうか?
確かにあった。
掃いて捨てるほど。
でもいつものことだ、死にたいってほどじゃない。

じゃあなんだ?
どうして、こんな夜。
しばらく考えたところで、答えなんて出なかった。

そもそも、こんな気分になるのに、理由なんてあったんだろうか?

仮に死んでしまったとしたら、
自分ではわからなかった理由が、
近しい誰かの口から聞けるかもしれない。
それが真実だろうと真実でなかろうと。

きっと、なんとなく思ってしまったんだろう。
死んでしまいたいような夜。
死んでしまいたい気分。

きっと、疲れていたんだろう。
きっと、その疲れが溜まっていたんだろう。
もう今日は、ゆっくり眠ろう。
何も考えず、ただ眠ろう。

目が覚めれば、忘れてしまってるようなことかも。
目が覚めれば、悩んでいた自分を笑いとばせるかもしれないな。

目を覚ますことができればの話だけどさ。




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