Short Story…




Short Story No 248
引越し


男が引越しをすることになった。
家具家電付きの部屋に住んでいたため、
引越しといっても荷物はほとんど無い。

次の引っ越し先は3階。
今の部屋とは違って上から足音も聞こえるだろう。
そう思うと少し気が重くなる。

面倒臭がりな男は、だらだらと
必要な荷物をダンボールにまとめ、
残りは捨てることにした。


何度も読んだし、売っても高が知れてる。
そう思い、本を捨てた。
季節じゃないし、新しい物を買えばいいやと、
枕と毛布も捨てた。

最後に随分と迷ったが、引っ越し先には置けないだろうと
ベランダ用に置いてある鉄のテーブルと椅子を捨てた。
下から悲鳴が聞こえた。




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