Short Story…
Short Story No 251
気遣い
毎日というわけではないけれど、
よく祖母に電話をする。
元気な時もあれば、なんだか塞ぎ込んでいるように感じる時も。
電話越しに感情が伝わる。
それでも電話を楽しみにしてたと言ってくれる。
近況を報告し、昼食は何を食べたのかや、
夕食は何を作るのかを聞く。
そして、父や母の話、昨年死んだ祖父の話をする。
会話には少し気を遣う。
なるべく大きな声で、はっきりとよく聞こえるように。
祖母の話でよく笑うように。
方言を使い自分がそこにいるかのように。
そして自分が滅入っていても、テンションを上げて話す。
電話越しに感情は伝わるから。
余計な心配をさせたくないから。
いつも同じ話だから。
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