Short Story…
Short Story No 266
大きな犬
突然飛び出してくるものだから、
危うく自転車に乗った奴を轢いてしまうところだった。
クラクションを鳴らすも、そいつは悪びれる素振りも見せず、
そのままどこかへ行ってしまった。
左折しようとすれば、死角からバイク。
危うく巻き込んでしまうところだった。
もう一台、後続のバイクがすぐ横を通り過ぎた。
そのまま小道に入れば、左側に小さな公園。
子供が遊んでいる。
その傍らに白くて大きな犬がいた。
道路の真ん中の右側の方。
犬はこちらを一瞥するも動く気配がない。
こっちは車だ。
さすがに近づいてきたらよけるだろうと高を括っていたら、
舐めきってているのか、じっと動かない。
数度クラクションを鳴らす。
車の存在に気付くも、犬は動かない。
バックしようにも一方通行で、何とか避けれるだろうと、
軽くよけて進むつもりだった。
ただ、減速せず車が突進してきたことに驚いたんだろう。
慌てて避けようと駆けたらしく、
こっちがよけた方向に飛び出してきた。
小さな衝突音。
どうやらぶつかったみたいだ。
飼い主の子供に。
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