Short Story…
Short Story No 276
餌を食べない犬
「だよね、絶対無理だよね。袋じゃないし。
こんなこと聞いたら、え?って言われるだろうなとは思ったけど、
ほら、もしかしたら万が一ってこともあるかもしれないと思って」
「え?大型犬じゃないよ。ウチのはミニチュアダックス。
まぁ、正確に言えばミックスになのかな?
もちろん小型犬は小型犬なんだけど」
「前にも何度かあったんだよね、全然ごはん食べてくれないこと。
しばらくしたらちょっとずつ食べてくれるようになったから、
今回もあまり気にしてなかったんだけど」
「そうそう、ずっとドライフードだよ。いつも同じメーカーのだったし、
もしかしたら飽きちゃうからなのかなって一瞬思ったけど違うよね」
「うん、さっき気付いたんだって。
今日って燃えないゴミの日でしょ?それで空き缶とか色々片付けてたら、
そのゴミ袋の中にペットフードの空き缶があって」
「えー、わかんないけど前に付き合ってた人かも。
たしかあの人、犬好きだったし。
やっぱり、警察の人に相談した方がいいよね?」
「もしかして、前に全然ごはん食べてくれなかった時も、そうだったのかな」
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