Short Story…




Short Story No 283
ひとりの部屋



部屋にひとりでいると、時々誰かが後ろにいるような気がする。
いるような気がするだけ。
当然のことながら、振り返っても誰もいない。
感じるのは気配、そしてじっとりとした視線のようなもの。

その視線は、PCやTV、雑誌なんかを見ていても感じる、
その度に振り返るけれど、やっぱりそこには誰もいない。
気にしなければいいだけなんだろうれれど、
無視できるほど神経は図太くない。

幽霊や悪霊の類ではないと思う。
そもそも、幽霊なんていない。
そんなオカルト話は信じていない。

今日も、部屋には自分ひとりだけ。
感じる視線に、そっと後ろを振り返る。

幽霊なんていない。

明日も、部屋には自分ひとりだけ。
また感じる視線にそっと後ろを振り返る。

幽霊なんていない。
この部屋いるのは、ずっと自分ひとりだけ。
寂しさに蝕まれ、少し頭がおかしくなってきてる自分だけなんだろう。






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