Short Story…
Short Story No 291
ブロック
よかったのは最初だけ。
付き合ったのも少しだけ。
自分の人を見る目のなさと迂闊さにうんざりする。
猫をかぶっていても
すぐにその人の地っていうか、本性は見えてくる。
次第に幻滅し、好意なんてすぐになくなった。
残ったのは、疎ましさだけ。
ブロックした。
相手するのが面倒になったし、
あまりにもうざいから。
最初から電話番号は教えてない。
トークも、通話もこれでもう届かない。
でも、完全にはブロックできなかったみたい。
だから、いる。
オートロックを掻い潜って。
玄関のドア一枚挟んだ、すぐ目の前にいる。
警察を呼んだから、もうすぐノックの音は止む、はず。
今日は、それで解決すると思う。
でも、明日は?
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